頭痛について

頭痛イメージ

頭痛とは、頭の一部または全体に感じる痛みの総称です。首の後ろ(後頸部)と後頭部の境目や、目の奥に感じる痛みも頭痛として扱われます。
「頭が痛いと脳の病気では?」と不安に思われる方も多いですが、実は脳そのものには痛みを感じる神経がありません。そのため、頭痛のみで他の症状がない場合は、脳の病気の可能性は低いと考えられます。
ただし、以下のような症状を伴う場合は注意が必要です。

  • 今までに経験したことがないほど突然で激しい頭痛
  • 短時間で悪化する頭痛
  • 意識の混濁や高熱がある
  • 手足の麻痺やしびれがある

このような場合は、髄膜炎、脳炎、くも膜下出血、脳動脈解離などの可能性があり、速やかに専門医療機関を受診し、正確な診断を受けることが重要です。

慢性頭痛について

同じような頭痛が繰り返し起こる場合は「慢性頭痛」と呼ばれます。頭痛が繰り返されることにより、生活の質に大きな影響を及ぼすことがあります。代表的な慢性頭痛には、以下のような種類があります。

片頭痛

血管の拡張が原因とされる頭痛で、特に若い女性に多く見られます。頭の片側、特にこめかみ付近にズキズキとした拍動性の痛みが現れ、時には吐き気や嘔吐を伴うこともあります。光や音に敏感になり、日常の動作で痛みが悪化することも少なくありません。発作の前に視界に光のようなものが現れる「閃輝暗点」がみられる場合もあります。特定の食品、たとえば赤ワインやチーズ、チョコレートなどが発作を誘発することがあるとされています。近年は、症状を抑える新しい治療薬や予防薬も登場しており、医師との相談のもとで治療方針を決めていくことが勧められます。

緊張型頭痛(緊張性頭痛)

緊張性頭痛は、肩こりや同じ姿勢で居続けることなどが原因となって発症します。デスクワーク長時間続けている場合などです。
後頭部から首にかけての筋肉が緊張し、頭の周囲が締めつけられたような鈍痛や頭の重だるさが症状として現れます。
動かすことで痛みが軽減することがあり、また疲労のたまる夕方にかけて痛みが強くなる傾向があります。
投薬による治療に加え、マッサ-ジ、運動など、肩や首の血行を良くすることが大切です。

群発頭痛

片側の目の奥をえぐられるような痛みが特徴で、1~2か月ほど毎日のように発作が続くことがあります。若年から中年の男性に多くみられ、発作時には目の充血や涙、鼻水といった症状を伴うことがあります。発作期間中にアルコールを摂取すると、痛みが誘発されやすいため注意が必要です。治療には酸素吸入や注射薬などが用いられることがあります。

慢性頭痛の中には、治療が難しく長期間にわたる管理が必要となるものも存在します。完全に痛みを取り除くことが難しいケースもあるため、患者様と医師が連携し、日常生活への影響を抑えながら、適切な対処法を見つけていく姿勢が重要となります。